「毎年の台風被害が大きくなっているように感じる。企業としても台風対策をしたほうがよいのだろうけど、どう対策したらいいかわからない。」と不安を感じている方は多いでしょう。
企業は毎年やってくる台風シーズン前に、台風対策をおこなっておくべきです。
事前に対策することで、台風による災害被害を未然に防げたり、軽減できたりします。
そのため、台風対策を強化したいと考えている企業も増えてきているでしょう。
この記事では、企業が済ませておくべき台風による災害対策を解説します。
台風が上陸しても慌てないよう、今のうちに台風対策をしておきたい企業はぜひ参考にしてください。
企業がすべき台風対策
個人が家庭で台風対策するように、企業も台風による災害に備えておくことが重要です。
とはいえ、家庭でおこなうような対策ではなく、企業には企業の台風対策があります。
企業がすべき台風対策は、次の3つです。
- ハザードマップで危険な場所を確認する
- 緊急連絡網を作成しておく
- 備蓄・防災グッズを用意しておく
ハザードマップで危険な場所を確認する
台風がやってくる前に、どのような災害が起こりえるのかをハザードマップで確認しましょう。
同時に、従業員へハザードマップを共有しておくのも有効です。
ハザードマップを確認することで、次のような災害が起こりえるのか確認できます。
- 津波
- 洪水
- 地すべり
- 土砂崩れ
- 浸水
- 冠水
事務所や工場近くでどのような災害が起きるのか予想できれば、対策も立てやすいでしょう。
早めに避難ができたり、重要書類や機器を別の場所に移したり、出先から事務所に戻らない選択もできます。
対策するためにはハザードマップを確認し、予想されうる災害を知ることが重要です。
緊急連絡網を作成しておく
自社の従業員に連絡するため、緊急連絡網を作成しておきましょう。
緊急連絡網を作成しておけば、いざというときに「誰に連絡すればいいかわからない」を防げるためです。
台風の影響で災害が起こったとき、従業員の安否が気になります。
- 無事に帰宅できたのか
- 家や家族は無事なのか
- 事務所に取り残されていないか
- 出先で立ち往生していないか
- 業務ができる状態なのか
緊急連絡網を作成しておけば、誰に連絡がついたかも把握しやすいのです。
台風による災害が起きたとき、迅速に動けるよう緊急連絡網は事前に作成しておきましょう。
備蓄・防災グッズを用意しておく
事務所や工場に、備蓄や防災グッズを常備しておくのがおすすめです。
台風の影響で帰宅できず、事務所や工場に泊まる可能性があります。
業務の都合で、台風の接近までに帰宅できない従業員がいるかもしれません。
台風の規模によっては帰宅しないほうが安全な場合もあります。
そうした場合に備え、備蓄や防災グッズを常備しておくべきです。
また事務所や工場でも、場合によっては避難が必要になる可能性もあります。
避難に必要な持ち出し用の防災グッズも、人数分用意しましょう。
大雨や台風に備えておく理由
台風がやってくる前に、大雨や台風への事前準備が必要です。
なぜなら、台風が近づいてきてからでは対策準備が間に合わないためです。
- 台風の被害が年々大きくなっている
- 台風による二次災害が起こる
ここでは、大雨や台風に備えておくべき理由について解説します。
台風で起こる災害については、以下の記事で詳しく解説しています。
よろしければ、そちらの記事もご覧ください。
→「台風 災害」へ内部リンク
台風の被害が年々大きくなっている
災害をもたらすほどの台風は毎年発生しています。
気象庁 | 災害をもたらした気象事例(平成元年~本年)によると、平成元年〜令和3年まで123件の台風災害が起こっており、毎年2〜3件の頻度で災害と見なされています。
過去の事例を見てみると、平成に入ってから特に大きな被害をもたらした台風は次の3つです。
台風名 | 発生年 | 死者数 | 行方不明者数 | 負傷者数 | |
1 | 台風19号 | 1991年 | 40人 | 左に同じ | 131人 |
2 | 台風18号 | 2004年 | 43人 | 3人 | 1,399人 |
3 | 東日本台風 | 2019年 | 107人 | 3人 | 384人 |
平成に入ってからも、台風による災害があとを絶ちません。
台風による被害が年々大きくなっていますので、被害に遭わないためにも事前に対策をおこなうことが重要です。
台風による二次災害が起こる
台風は二次災害が起こりやすい災害です。
一次災害とは「大雨や台風で家屋が破損したりケガをしたり、直接的な被害を受けること」を指します。
一方、二次災害とは「大雨や台風による影響で、派生して起こる災害のこと」を指しています。
大雨や台風による二次災害で、代表的なものは次のとおりです。
- がけ崩れ
- 土石流
- 地すべり
- 火災
- 停電
- 水道などのライフライン寸断
これらのほか、家具の転倒や落下物によるケガも二次災害に含まれます。
台風による災害は直接的なものばかりではありません。
二次災害の可能性も視野に入れ、事前に備えておきましょう。
台風の影響は企業活動や従業員の生活にも関わる
台風による災害の規模は大きくなっています。
個人の生活だけではなく、企業活動にも影響が出るでしょう。
実際に、過去の台風災害では次のような影響が出ています。
- 交通インフラが止まる
- ライフラインが止まる
- 事業所・工場が被害を遭う
台風の影響が企業にどのような影響を与えるのかについて、それぞれ見ていきましょう。
交通インフラが止まる
台風の規模によっては、電車やバス、飛行機などの交通インフラが止まることがあります。
2019年10月に発生した東日本台風では、台風規模の大きさからJR東日本は計画運休を実施しました。
従業員の出社を遅らせるなど、企業活動に少なからず影響が出ていたでしょう。
また台風が過ぎ去ったあと、塩害によって電車が止まってしまうことも。
2018年に発生した台風24号が海水を運んできた影響で、京成線構内にある送電線から突然火が出て停電した事例があります。
電車は一時運行できなくなり、数万人規模の足に影響しました。
このように台風の影響で交通インフラが止まり、企業活動に影響が出てしまう可能性があります。
ライフラインが止まる
台風の影響でライフラインが止まってしまうこともあります。
次のような理由で、停電が起こります。
- 強風により電線が切れる
- 木が倒れ、電線が切れる
また停電と同じく、台風により断水になる可能性もあるでしょう。
断水になる理由は、次のとおりです。
- 老朽化した水道管の破裂
- 給水施設、浄水場、送水設備などの損傷
- 浄水場などに浸水
- 貯水池に土砂が流れこむ
また施設によっては停電の影響で設備が動かず、断水してしまうことも。
台風による災害で、ライフラインである電気と水が止まってしまう可能性があります、
事業所・工場が被害を遭う
台風による災害で、事務所や工場が損害を受ける可能性があります。
想定される被害は、次のとおりです。
- 建屋や工場が浸水
- 停電により機材が故障
- 火災や土砂崩れにより工場が損傷
- 停電により業務ができない
- 飛来物により窓が割れ、事務所内が水浸し
このように、台風が直接的な被害をもたらします。
事業所や工場が損傷するような被害は想像しやすいですが、停電により業務が進められない損害もあります。
業務が進められないことで取引先に迷惑がかかったり、営業機会を逃したりする場合もあるでしょう。
非常用電源があれば最低限の業務だけでも進められますが、事前に準備していないと難しいのです。
事業所や工場への被害を最小限にするためにも、台風による影響を予想しながら準備してください。
台風への備えで大切なこと
今回は、企業が済ませておくべき台風による災害対策を解説しました。
重要なことは台風がやってくる前に台風による災害対策をしておくこと。
台風がやってくるから準備するのではなく、なにも起こっていないうちから決めておくのがおすすめです。
台風が発生してから準備していては、間に合わないかもしれません。
他の企業も同時に準備を進めるため、対策のために使いたい物資が手に入らない可能性が高いでしょう。
台風が発生していない今のうちに、ハザードマップの確認や緊急連絡網を作成するなど、できることから始めましょう。
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