「耐震補強工事にはどのくらいの費用が必要なんだろう?」
「費用をおさえて耐震補強工事をする方法はないだろうか」
「耐震補強工事で活用できる補助金について知りたい」
このように耐震補強工事の費用について悩みを抱えている企業は多いのではないでしょうか。
会社の資産や従業員の命を守るために必要な耐震補強工事ですが、目安となる金額は事前に知っておきたいですよね。
この記事では、耐震補強工事にかかる費用の目安を建物別に解説します。
記事後半では費用をおさえて耐震補強工事をおこないたい方へ向けて、融資や補助金制度、税制優遇についても解説するので、ぜひ最後までごらんください。
耐震補強工事の費用の目安
耐震補強工事に必要な費用は、建物の種類や状態など、さまざまな条件によって異なります。
過去のデータなどから算出した耐震補強工事に必要な費用の目安を、建物の種類別に解説するので参考にごらんください。
耐震補強の工事については耐震補強工事|耐震診断と着工までの流れも解説で詳しく解説していますので、よろしければお役立てください。
事務所ビル
事務所ビルの耐震補強工事に必要な費用を、延べ面積に応じた耐震改修工事費用の目安として以下に記載いたします。
<耐震診断をおこなっていない場合>
建物の延べ面積 | 耐震補強工事費用の目安 |
300㎡ | 1040万円 |
500㎡ | 1580万円 |
750㎡ | 2200万円 |
1000㎡ | 2780万円 |
参考:建築物の耐震改修の促進に関する法律に関連するパンフレット
<耐震診断をおこなっている場合>
建物の延べ面積 | 耐震補強工事費用の目安 |
300㎡ | 350~1600万円 |
500㎡ | 570~2600万円 |
750㎡ | 830~3820万円 |
1000㎡ | 1090~5030万円 |
参考:建築物の耐震改修の促進に関する法律に関連するパンフレット
店舗
店舗の耐震補強工事に必要な費用を、延べ面積に応じた耐震改修工事費用の目安として以下に記載いたします。
<耐震診断をおこなっていない場合>
建物の延べ面積 | 耐震補強工事費用の目安 |
300㎡ | 1050万円 |
500㎡ | 1650万円 |
750㎡ | 2370万円 |
1000㎡ | 3050万円 |
参考:建築物の耐震改修の促進に関する法律に関連するパンフレット
<耐震診断をおこなっている場合>
建物の延べ面積 | 耐震補強工事費用の目安 |
300㎡ | 710~2630万円 |
500㎡ | 1070~3990万円 |
750㎡ | 1490~5570万円 |
1000㎡ | 1890~7050万円 |
参考:建築物の耐震改修の促進に関する法律に関連するパンフレット
木造住宅等
事務所ビルや店舗以外にも、住宅を事務所として使用している場合もあるでしょう。
平屋建ての木造住宅の場合の耐震補強工事は、100~150万の工事が多く、全体の半数以上は140万以下とされています。2階建て木造住宅の耐震補強工事費用は、100~150万。全体の半数以上は約190万以下です。
参考に平屋建て木造住宅等の耐震補強工事に必要な費用を、延べ面積に応じた耐震改修工事費用の目安として以下に記載いたしました。
<耐震診断をおこなっていない場合>
建物の延べ面積 | 耐震補強工事費用の目安 |
100㎡ | 160万円 |
125㎡ | 180万円 |
150㎡ | 200万円 |
175㎡ | 220万円 |
参考:建築物の耐震改修の促進に関する法律に関連するパンフレット
<耐震診断をおこなっている場合>
建物の延べ面積 | 耐震補強工事費用の目安 |
100㎡ | 90~150万円 |
125㎡ | 100~180万円 |
150㎡ | 110~200万円 |
175㎡ | 130~220万円 |
参考:建築物の耐震改修の促進に関する法律に関連するパンフレット
共同住宅等
3階〜5階建ての共同住宅の場合は、10,000円/㎡未満が多く、半数以上は約10,000円/㎡未満です。
3階〜5階建ての共同住宅の耐震補強工事に必要な費用を、延べ面積に応じた耐震改修工事費用の目安として以下に記載いたしました。
<耐震診断をおこなっていない場合>
建物の延べ面積 | 耐震補強工事費用の目安 |
150㎡ | 470万円 |
200㎡ | 530万円 |
300㎡ | 640万円 |
500㎡ | 820万円 |
参考:建築物の耐震改修の促進に関する法律に関連するパンフレット
<耐震診断をおこなっている場合>
建物の延べ面積 | 耐震補強工事費用の目安 |
150㎡ | 310~770万円 |
200㎡ | 360~900万円 |
300㎡ | 460~1140万円 |
500㎡ | 770~1910万円 |
参考:建築物の耐震改修の促進に関する法律に関連するパンフレット
地震対策別の目安
耐震対策の種類には、以下の3つがあります。
- 耐震
- 制震
- 免震
耐震は、地震の揺れにそなえる対策です。耐震壁を増設したり柱や梁を補強したりして、建物の倒壊を防ぎます。
制震は、地震の揺れを吸収する対策です。制震ダンパーなどの制震装置を使用して、住宅にかかる負荷を軽減します。
免震は、地震の揺れを伝えにくくする対策です。免震装置を設置して、地盤から伝わる力を大幅に軽減します。
耐震補強工事では、耐震や制震、免震に応じた工事が必要です。一例として、耐震補強工事の方法と費用を以下にまとめました。
工事の方法 | 費用 |
筋交い | 1ヵ所5万~20万 |
耐震パネルの設置 | 25万~65万 |
屋根の軽量化 | 80万~150万 |
正確な費用は建物の状態などに条件によって違うので、事前の耐震診断でしっかりと確認をしておきましょう。
耐震補強工事の方法については耐震補強工事の方法には何がある?自分でできる耐震補強についても紹介で詳しく解説していますので、よろしければお役立てください。
耐震補強工事の融資制度や補助金制度
耐震補強工事には、高額な費用が必要です。しかしながら、耐震補強工事には融資制度や補助金制度を活用できます。
ここからは耐震補強工事の融資制度と補助金制度について解説するので、よろしければお役立てください。
融資制度
耐震補強工事には融資制度があり、例えば東京都には『急輸送道路沿道建築物の耐震改修等支援融資制度』が存在します。
これは、震災が起きた際に救助や物資輸送などをおこなう防災拠点などを結ぶ緊急輸送道路の沿道にある建物の耐震化を計るためのもの。
緊急輸送道路の沿道にある建物の所有者に対して、耐震補強診断や工事を融資しているのです。
融資限度額は3億円以内、融資期間は10年以内とされています。様々な条件はありますが、適切に活用すれば一時的な費用をおさえて耐震補強工事をうけられます。
補助金制度
耐震補強工事は、以下の流れでおこなわれます。
- 事前の耐震診断
- 耐震診断を基にした補強設計
- 耐震補強工事の実施
実際の工事実施をする前に、専門家による耐震診断をおこなったり、補強設計をたてたりしなくてはなりません。そして、その工程にも、もちろん費用は発生します。
ただし、国や地方公共団体がおこなう助成制度を活用すれば、耐震診断が無料で受けられることも。
補助金制度は対象となる地域によって変わるので、以下を参考にされてください。
その他、耐震補強工事をおこなった人に向けた税制優遇処置もあります。耐震改修促進税制により、耐震補強工事をおこなった場合に、費用についての10%の法人税や所得税の特別償却が認められているのです。
耐震補強工事の補助金については耐震補強に関する補助金制度|費用をおさえて資産を守るで詳しく解説していますので、よろしければお役立てください。
耐震補強工事に必要な費用まとめ
今回は耐震補強工事に必要な費用について解説しました。耐震補強工事の費用は、建物の種類や状態などの条件によって異なります。紹介した目安を参考にして、耐震補強工事をご検討ください。
耐震補強工事には高額な費用が必要ですが、融資制度や補助金制度を活用することで負担を軽減できます。補助金制度は対象地域によって変わるので、日本建築防災協会耐震支援ポータルサイトを参考にしましょう。
その他、耐震補強工事については耐震補強は企業を守る|耐震補強の必要性から補助金までまとめて解説こちらの記事で詳しく解説していますので、よろしければお役立てください。
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