「耐震補強をDIYする方法はないだろうか?」
「今すぐにできる耐震補強が知りたい」
専門業者に依頼をすると高額な耐震補強工事を、自分でできたらと思っている事業主の方は多いのではないでしょうか。
この記事では、耐震補強がDIYできるかを解説します。この記事を読んだあとは、DIYに向いている耐震補強を見極められるようになります。
記事後半では費用をおさえて専門業者に工事を依頼する方法についても解説するので、ぜひ最後までごらんください。
耐震補強工事については耐震補強工事|耐震診断と着工までの流れも解説の記事で詳しく解説していますので、よろしければお役立てください。
耐震補強はDIYできる?
ここからは、DIYで耐震補強ができるのかを解説します。
簡易的なDIYのみ可能
簡単なものであれば、DIYでも耐震補強は可能です。耐震補強とひとくくりにしても種類は多く、手軽にできる内容もあります。
ただし、工事を伴う大がかりな耐震補強には高度な技術が必要です。耐震補強工事は建物全体のバランスを考えたうえで、適切な箇所に正しくおこなう必要があります。
専門的な知識や技術が必要な工事を伴う耐震補強は、DIYをしても失敗をしてしまう可能性があるので専門家に頼るのが安心です。
「そうは言っても費用がかかるから…」と簡単な耐震補強だけ先に済ませる場合にも、専門業者による検証は必須。地震の影響が弱くなっているか、専門的な知識を持った人に判断してもらう必要があるのです。
旧耐震基準の建物は耐震補強工事が必要
現在の耐震補強は新耐震基準によって定められており、1981年5月31日以前の建物は旧耐震基準に区分されます。旧耐震基準に区分された建物は、大きな地震の際に倒壊する可能性があるので耐震補強が必要です。
新耐震基準を満たしていても、建物の老朽化が見られる場合や地盤が弱い土地に建てられている場合には、耐震補強の検討をしましょう。
耐震補強工事は、会社の資産や従業員の命を守るためにおこないます。DIYで耐震補強をする際も、耐震性を高めて地震にそなえられるかを考慮して正しくおこないましょう。
耐震補強のDIYに向いているもの
ここからは、DIYに向いている耐震補強と注意点について解説します。
仕口ダンパーをつける
自分でできる耐震補強は『仕口ダンパー』をつけることです。
仕口ダンパーとは、柱と梁の接合部分付近(仕口)につける制震ダンパーのこと。地震の際は、建物が揺れて仕口に大きな負担がかかります。仕口ダンパーは、地震の揺れを吸収して建物の耐震性をあげてくれる装置です。
仕口ダンパーによる耐震補強は寺社仏閣まで幅広く使われる方法で、専用ネジで取り付けておこないます。
例えば、店舗の入口でピロティ形式になっている部分などにつけることで、手軽に耐震補強することが可能です。
ボルトをしめる
建物に使われている金具のボルトを締めるのも、立派な耐震補強です。
例えば木造建築物の場合、木材の接合部分に金具が使われています。この金具が緩んでしまうと、建物の耐震性が弱くなってしまうのです。
ひとつひとつの金具をチェックして、ナットでボルトを締めなおしましょう。もしも劣化している金具が見つかったら、新しく追加するのも検討してください。
DIYする際の注意点
耐震補強をDIYする際の注意点は、致命的な失敗をしないことです。
当たり前のことのように思われますが、耐震補強では大きな失敗をしないことがとても大切。なぜなら、現状復帰に多くの費用が必要なためです。
もしもDIYでの耐震補強に失敗してしまった場合、専門業者に依頼をするよりも多くの費用が必要になってしまいます。
DIYで耐震補強をする際は、失敗しないように細心の注意をはらいましょう。
耐震補強のDIYに向いていないもの
ここからは、DIYに向かない耐震補強について解説します。
基礎の補修・補強
基礎の補修・補強は耐震補強のDIYに向いていません。
基礎にかかる耐震補強は、ひび割れを補修したり傷んだ木材を差し替えたりなど大がかりな工事が必要になります。
建物全体における根本的な耐震補強となるので、DIYには向かないのです。
壁の補強
壁の補強は、筋交いや構造用合板を用いておこないます。強度が少ない壁は、横からの力(揺れ)に弱いので、壁を補強して耐力壁にします。
筋交いとは、柱と梁に囲われた部分に斜めに木材を補強する壁の補強方法。筋合いは引っ張られる力に強いので、家全体のバランスなどを考慮して配置する必要があります。
家全体のバランスがくずれてしまった場合、修繕費用が余計にかかることも。専門的な知識が必要な壁の補強は、DIYには向いていません。
柱・梁の追加
旧耐震基準で建てられた建物は、柱の本数が少ないことが多くあります。他にも、建ててから長い時間が経っているため、経年劣化で強度が低下していることも。
このような耐震性に不安がある建物では、柱を交換したり新しい柱を追加したりして補強工事をおこなうことがあります。しかし、柱の交換をする場合、床や壁をすべて撤去しなければなりません。
確かな技術を要し期間も必要な柱や梁の追加は、DIYには不向きです。
屋根の軽量化
耐震補強には、屋根の軽量化も含まれています。地震が起きた際、建物の揺れが大きくなるのを防ぐためです。
具体的には、瓦屋根の場合には軽量瓦や板金にかえる工事をおこないます。瓦を変えることで揺れが大きくなるのを防ぐだけでなく、瓦が落ちた際の被害を防ぐことも可能です。
しかしながら、屋根という高所での作業には、徹底した安全対策も必要になります。リスクや万が一のことを考えると、屋根の耐震補強はプロにお願いする方が良いでしょう。
耐震補強工事の方法について耐震補強工事の方法には何がある?自分でできる耐震補強についても紹介の記事で詳しく解説していますので、よろしければお役立てください。
耐震補強工事で活用したい補助金制度
簡単なものであれば、耐震補強はDIYでも対応ができます。しかしながら、自分でできる耐震補強には、限界があります。
工事を伴う大がかりな耐震補強は、専門業者に依頼しましょう。プロに頼むことで、自分では気が付かなかった耐震補強に必要な部分も見つけてくれます。
また、経験を積んだ専門業者であれば、安心して耐震補強工事も任せられます。従業員の命を守るための耐震補強は、安心して任せられるに越したことはありません。
「そうは言っても耐震補強工事を専門業者に頼むと高額な費用がかかる……」と費用面に不安がある方には、国や地方公共団体がおこなっている補助金制度や融資制度もあります。
自治体によっては、耐震補強工事の半額以上を負担してくれる場合もあるので、まずは以下を参考に確認をしてみましょう。
耐震補強の補助金については耐震補強に関する補助金制度|費用をおさえて資産を守るの記事で詳しく解説していますので、よろしければお役立てください。
耐震補強のDIYまとめ
今回は、DIYできる耐震補強について紹介しました。
簡単な耐震補強であれば、DIYが可能です。自分でできる耐震補強には、接合部分のボルトを締めなおしたり、仕口ダンパーを使用する方法があります。
基礎や壁の補強を伴う大がかりな耐震補強の場合は、専門業者による工事を依頼するのがおすすめです。自分では気付かない部分を発見して、より安全性の高い耐震補強工事をしてくれます。
費用が心配な方は、国や地方公共団体がおこなう補助金制度もあるので、日本建築防災協会耐震支援ポータルサイトで確認のうえ活用しましょう。
他の耐震補強の情報について耐震補強は企業を守る|耐震補強の必要性から補助金までまとめて解説で詳しく解説していますので、よろしければお役立てください。
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