自主防災会の組織図|それぞれの役割を理解する

「自主防災会の編成はどのようになっているのだろう」

「企業との窓口になるのはどの役割を持つ人なのだろう」

「自主防災会の組織図が知りたい!」

このように自主防災会の組織図について悩みを抱えている企業は多いのではないでしょうか。

自主防災会は、会長を筆頭に編成されており、班ごとに様々な役割を担っています。災害時には企業と関わることもあり、それぞれの役割を理解することで円滑な連携が可能です。

この記事では、自主防災会の組織図について解説します。記事を読んだあとは、組織編成を理解し、それぞれの役割について説明できるようになりますので、ぜひ最後までごらんください。

自主防災会の概要については、こちらの記事で詳しく解説しています。よろしければお役立てください。

自主防災組織に関する記事※準備中

目次

自主防災会の組織図

(引用:三重県桑名市ホームページ

上記は、三重県桑名市の自主防災組織図です。

自主防災会(自主防災組織)は「自分たちの地域は自分たちで守る」という意向のもと、自主的に活動をおこなう組織です。組織編成は、全体を取りまとめる会長をトップに、サポートする副会長や防災委員、そして構成員と続きます。

構成員は活動班に所属し、それぞれが持つ役割を全うしなくてはなりません。例えば桑名市の活動班は、以下に分かれています。

  • 情報班
  • 消火班
  • 救出・救護班
  • 避難誘導班
  • 給食・給水班

上記の他にも、安全点検・防犯班や衛生班など、必要に応じて細かく分けたりまとめたり適宜調整をおこないます。

自主防災会の役割については、こちらの記事で詳しく解説しています。よろしければお役立てください。

自主防災組織の役割に関する記事※準備中

組織図それぞれの活動内容

ここからは、組織図の基本編成とされる以下の各班がどのような活動をおこなうのか解説します。

  • 防災委員長・防災委員
  • 情報・啓発班
  • 消火班
  • 避難誘導班
  • 救出・救助班
  • 衛生・救護班
  • 給食・給水班
  • 安全点検・防犯班

よろしければ、ご参考ください。

防災委員長・防災委員

防災委員長の活動内容は、以下のとおりです。

  • 防災訓練の企画
  • 防災地図や組織図の作成
  • 防災資機材の整備計画の作成
  • 会長の補佐や各班の統括
  • 自主防災本部の設置
  • 避難所の立ち上げ

防災委員には、災害時に被害情報を把握し、各活動班に動員指示や要請をおこなう役割があります。防災活動をスムーズに進めるための、いわば統括です。

上記の他、市・指定避難所との調整や、防災関係団体・企業との調整など外部との連携にも関わります。

情報・啓発班

情報・啓発班の活動内容は、以下のとおりです。

  • 防災知識の普及啓発や情報収集
  • 簡易無線機などを使用した情報伝達訓練
  • 災害時における被害状況の把握や伝達
  • 市災害対策本部や避難所運営本部との連絡調整
  • デマ情報の拡散防止

情報・啓発班の役割は、地域の被害状況を確認して、防災対策本部に連絡することです。例えば、火災や倒壊が起きた際には、防災対策本部に報告して各班員に応援を要請します。

平常時には、情報伝達の訓練や防災知識の普及活動をおこないます。

消火班

消火班の活動内容は、以下のとおりです。

  • 初期消火訓練
  • 感震ブレーカー設置の周知
  • 出火場所の確認
  • 消火活動人員への活動指示
  • 消防署への連絡

消火班の役割は、初期消火や延焼防止の実施です。災害時に道路がふさがったり救助要請が重なったりすると、消防や自衛隊の到着に遅れが出てしまうとが考えられます。

例えば、1995年1月に起きた阪神淡路大震災では、地震による建物の火災と倒壊が同時に起き、消防や警察がかけつけるまで時間を要しました。消防や警察、自衛隊などの公助で救出された人は約2割だったとされています。

火災が起きたらすみやかに初期消火活動ができるよう、消火班は平時より消火器の位置を把握や消火器台帳の整備をおこないます。

避難誘導班

避難誘導班の活動内容は、以下のとおりです。

  • 集会所などにおける危険箇所の安全点検
  • 避難誘導訓練の実施
  • 避難誘導経路の確認
  • 災害時における避難誘導の指揮
  • 安否不明者や在宅避難者の把握

避難誘導班には、災害時における避難誘導をおこなう役割があります。災害時には、ガス漏れや洪水、大雨による浸水など、自宅での待機が安全でない場合、避難が必要です。

避難誘導班は、災害時に避難を呼びかけて安全な避難を先導できるよう、平時から避難経路の確認をおこないます。

救出・救助班

救出・救護班の活動内容は、以下のとおりです。

  • 救助用資機材の調達と整備
  • 救助技術の習得や救出救助訓練の実施
  • 要救助者の確認
  • 救出人員への救出指示
  • 救護病院や救護所への搬送補助

救出・救助班の役割は、災害時における救出や救助です。災害時は消防や救急がかけつけるまで、時間を要することが大いに考えられます。自主防災会の人員や住民たちが力を合わせて救出や救助活動をおこなう必要があるのです。

災害時に慌てず活動をおこなうために、救出・救助班は平時から救助技術の習得に力を入れます。

衛生・救護班

衛生・救護班の活動内容は、以下のとおりです。

  • 応急手当や衛生知識の普及
  • ごみ処理対策の検討
  • 要救護者の手当
  • 救護病院への搬送
  • 災害用トイレの設置や清掃

衛生・救護班には、負傷者や病人の応急手当や救護をおこなう役割があります。加えて、災害用トイレの設置や清掃も大切な役割です。

災害時に衛生管理がおこなわれていないと、トイレに行きたくない気持ちが勝り水分補給を控えて脱水症状になることがあります。そのうえ、不衛生な環境では、トイレを介してウイルス感染がおこることもあるのです。

災害時に命を落とすのは、地震などの直接的な被害だけではりません。避難生活等で体調が悪化して間接的な原因で死亡する「震災関連死」も起こります。こういった被害を食い止めるためにも、衛生・生活班がおこなう管理が大切です。

給食・給水班

給食・給水班の活動内容は、以下のとおりです。

  • 炊き出し訓練や用具の備蓄
  • 備蓄品の管理
  • 非常持ち出し品の広報啓発
  • 炊き出しや食料、飲料水などの調達
  • 在宅避難者の支援

給食・給水班の役割は、食料や生活用品の調達です。災害時に避難者の生活環境を維持し、整えられるように炊き出しをおこなったり生活用品を分配したりします。

災害時に「賞味期限や使用期限が切れていて使えない」ということがないように、給食・給水班は平時から必要な備蓄品を管理しておきます。

備蓄品の種類や量などは、企業防災の備蓄品|もしもにそなえてできることで詳しく解説しています。よろしければお役立てください。

安全点検・防犯班

安全点検・防犯班の活動内容は、以下のとおりです。

  • 防災倉庫の防災資機材の管理や点検
  • 地域内の巡回と安全点検
  • 防犯訓練の実施
  • 盗難等犯罪の防止

安全点検・防犯班は、パトロールをおこない危険箇所がないかチェックします。災害時には犯罪が起きることもあるため、防止目的の巡回活動も安全点検・防犯班の重要な役割です。

平時は、災害時の資機材を管理します。資機材のなかには発電機やチェーンソーなど定期的なメンテナンスが必要な機材もあるので、配慮した確認が重視されます。

自主防災の組織図まとめ

今回は、自主防災会の組織図について解説しました。

自主防災会にはさまざまな活動班と役割があります。企業は自主防災会の役割を理解することで、災害時の円滑な連携が可能です。

紹介した組織図は、企業で自主防災会を結成する際にも役立ちます。この機会に、企業と自主防災会の連携について考えてみてはいかがでしょうか?

自主防災会の課題については、こちらの記事で詳しく解説しています。よろしければお役立てください。

自主防災組織の課題に関する記事※準備中

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