企業防災の備蓄品|もしもにそなえてできること

「企業防災の備蓄品を知りたい」

「備蓄品はどのように管理したら良いのだろう」

「無駄にしない企業防災の備蓄品管理方法は?」

このように企業防災における備蓄品について悩みを抱えている企業は多いのではないでしょうか。

企業が用意すべき備蓄品は、従業員の命を守るために必要なものです。災害時にストレスを抱えずに従業員が過ごすには、十分な備蓄品を用意しなくてはなりません。

この記事では、企業防災における備蓄品について解説します。

記事後半では備蓄品を無駄にしない管理方法についても紹介するので、ぜひ最後までごらんください。

目次

企業がそろえるべき防災備蓄品リスト

企業は、防災備蓄品を用意する必要があります。なぜなら企業には、安全配慮義務が課せられているためです。労働契約法でも、企業は従業員の命や身体の安全を確保して働ける環境を整えるよう定められています。

企業がそろえるべき具体的な防災備蓄品は、以下のリストをごらんください。

<企業がそろえる防災備蓄品リスト>

種類 品目 目安量
食料・飲料品 1人あたり9L
主食 1日あたり9食分
その他食品 1日あたり9食分+α
生活用品 毛布 1人につき1枚
敷物 サイズにより異なる
簡易トイレ 1人あたり最低15回分
紙類(トイレットペーパーやウェットシート等) トイレットペーパー:1ロール
生理用品(生理用ナプキンやサニタリー袋等) 1人あたり15~18枚
マスク 1人あたり3~9枚
使い捨てカイロ 1人あたり2~6個(使用可能時間による)
携帯ラジオ 各フロア1つずつ
懐中電灯 1人につき1つ
携帯充電器(モバイルバッテリー) 可能であれば1人1つ(要検討)
乾電池 乾電池やラジオ、モバイルバッテリーに必要な数量
救護・防護用品 救急医薬品 救急箱を各フロア1つずつ
ヘルメット 1人につき1つ

上記の<企業がそろえる防災備蓄品リスト>は、内閣府が発表している大規模地震の発生にともなう帰宅困難者対策のガイドラインをもとに作成したものです。

(参考:内閣府防災情報のページ

リストにある防災グッズは、基本的にどの企業でも必要な備蓄品です。企業で災害対策を始めたら、必ず準備しましょう。

本当に必要な防災グッズについて、企業で準備する防災グッズランキング|本当に必要なもの15選の記事でランキング形式にて詳しく解説しています。よろしければお役立てください。

企業防災における備蓄品の準備は努力義務

安全配慮義務によって企業は従業員の命を守ることを定められていますが、基本的に防災備蓄の義務はありません。しかしながら、いくつかの県では、防災備蓄を努力義務としています。

例えば東京都は『東京都帰宅困難者対策条例』を2013年4月に制定し、災害時における3日分の備蓄を努力義務としました。災害の発生から3日間は、一斉帰宅の抑制が推奨されているためです。

一斉帰宅の抑制とは、災害時に従業員を一定期間施設内に待機させること。災害の発生から3日間は、救助・救命活動を優先するため、企業は従業員を滞在させるよう推奨しています。

日常が一変する災害時には、一刻も早く帰宅したい従業員が多いかもしれません。しかしながら、災害時に無理な帰宅を多くの人がおこなえば、群衆雪崩が起きて2次被害が起きる可能性もあります。人命救助を妨げないためだけでなく、従業員を救助される側にしないためにも一斉帰宅の抑制が推奨されているのです。

一斉帰宅が抑制される3日間を過ごすための準備がなされていなければ、従業員に多大なストレスを与えてしまいます。いつもと違う日常を少しでも安心して過ごしてもらえるよう、企業は備蓄品を用意しておく必要があるのです。

企業の防災グッズリスト|絶対に必要なものの記事では、備蓄品のなかでも絶対に必要なものを詳しく解説しています。よろしければお役立てください。

企業防災における備蓄品の保管方法は2種類

企業防災における備蓄品の保管方法は、以下に分けられます。

  • まとめて保管する方法
  • 分散して保管する方法

それぞれ詳しく解説するので、ぜひお役立てください。

まとめて保管する方法

備蓄品をまとめて保管する場合、一室や倉庫に備蓄品を収容します。1ヵ所に備蓄品を集めるため、管理がしやすい方法です。

まとめる場合は、備蓄品であることを明確にし、棚やダンボールを使用して災害時に取り出しやすくなるよう工夫しましょう。棚などの転倒対策も、忘れずにおこなってください。

ただ、まとめて保管する方法は管理がしやすい反面、災害時に負担がかかる可能性もあります。災害時にはエレベーターが止まったり、水害で備蓄倉庫が水浸しになったりする場合があるためです。

企業にとってスペースや管理体制などの問題もあるかとは思いますが、できれば分散して保管する方法を検討しましょう。

災害の被害について日本の水害被害とは|水害が起きたらどうなるか過去事例から学ぶ海外の災害事例|過去の災害を知り今に活かすで詳しく解説していますので、よろしければお役立てください。

分散して保管する方法

分散して保管する場合には、備蓄品の収容場所を各階や各部署などに分けます。

例えば、企業が高層ビルの場合は、各階に備蓄品を保管する場所を設けます。各階に備蓄品があることで、災害でエレベーターが止まった際に移動の手間が大幅に軽減されます。

可能であれば、従業員各個人に分散して保管してもらう方法がおすすめです。1人分の防災グッズをまとめたものを配布し、デスクの下に保管してもらいましょう。

個人で防災グッズを保管してもらえば、企業として備蓄品を収容するスペースも最低限で済みます。頭を守るヘルメットも従業員のすぐ手の届くところにおけるので、安全面でもおすすめの方法です。

企業防災の備蓄品は災害時を想定して準備

ここからは企業が備蓄品を準備する際の注意点について、以下を解説します。

  • 備蓄品の使用をイメージしておく
  • 消費期限や使用期限を定期的に確認する

それぞれ詳しく解説するので、ぜひお役立てください。

備蓄品の使用をイメージしておく

備蓄品を準備する際、企業は使用をしっかりイメージしておくことが大切です。災害時を想定した流れを考えれば、実際の場面でスムーズに動けるようになります。

例えば、災害時に休憩室を従業員の待機場所にする場合、備蓄品配布の導線や担当を考えておきましょう。備蓄品を一室や部署に集約している場合には、移動するための台車も一緒に保管しておくと良いと考えられます。

企業によって必要な備蓄品や、適切な保管場所は異なります。備蓄品の使用シーンをイメージしておくことで、必要な備蓄品や適切な保管場所が明確になるのです。

もしもに役立つ防災訓練|災害に強い企業を目指すリスクマネジメントとは?わかりやすく解説!具体的な取り組み手法も紹介では、災害時を想定した防災訓練や被災後のリスクへの対応について詳しく解説しています。よろしければお役立てください。

消費期限や使用期限を定期的に確認する

備蓄品は、定期的に使用期限や消費期限を確認しましょう。特に防災用の飲食料品は賞味期限が長いため「気がつけば賞味期限が切れていた」となりかねません。飲食品の他、生理用品にも実は使用期限が存在します。

消費期限や使用期限を守って備蓄するには、ローリングストック法がおすすめです。ローリングストック法とは、買い足した分だけ消費していく方法。備蓄品を日常的に使用できるため、使用期限が切れてしまうことがありません。

消耗品はローリングストック法で、日常的に買い足し、備蓄していた分を消費していきましょう。飲食品は、定期的な防災訓練で使用したり従業員へ配布したりすること、備蓄品の食事に慣れてもらう訓練にもなります、

企業における防災は備蓄品の準備が大切!

今回は企業防災における備蓄品について紹介しました。企業が備蓄すべき防災グッズは、以下です。

  • 主食
  • その他食品
  • 毛布
  • 敷物
  • 簡易トイレ
  • 紙類(トイレットペーパーやウェットシート等)
  • 生理用品(生理用ナプキンやサニタリー袋等)
  • マスク
  • 使い捨てカイロ
  • 携帯ラジオ
  • 懐中電灯
  • 携帯充電器(モバイルバッテリー)
  • 乾電池
  • 救急医薬品
  • ヘルメット

災害時には一斉帰宅の抑制が推奨されているため、3日間従業員が企業で過ごせるだけの備蓄品を準備しておきましょう。

備蓄品の保管は、できれば分散して保管する方法がおすすめです。可能であれば、1人分ずつの防災グッズに分けて、従業員個人のデスク下に保管してもらいましょう。

備蓄品は長期保存が可能なアイテムが多いため、賞味期限や使用期限を切らしてしまうことがしばしばあります。この機会に、備蓄品の見直しをおこなってみてはいかがでしょうか?

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