海外の災害事例|過去の災害を知り今に活かす

「海外で起きた災害事例を知りたい」

「過去の災害をふまえて防災対策をすすめたい」

このように海外の災害事例を参考に災害対策を検討している企業は多いのではないでしょうか。

今日に至るまで、世界では様々な災害が発生してきました。過去の災害事例から被害を知れば、より具体的な対策をたてやすくなります。

そこでこの記事では、海外の災害事例についてまとめました。記事後半では日本と海外の防災意識についても紹介するので、ぜひ最後までごらんください。

目次

海外の災害事例一覧表

海外の災害事例を、ピックアップして以下の表にまとめました。

発生日災害名(地域)死者数
地震1976年7月28日唐山地震(中国)24万2769人
2004年12月26日スマトラ島沖地震(インドネシア)21万人以上
台風2007年11月サイクロン・シドル4,234人(行方不明者含む)
1970年11月12日サイクロン・ボーラ30万人~50万人
水害2021年7月ヨーロッパ中部洪水(ドイツ・ベルギー)200人以上
1999年12月ベネズエラ洪水(ベネズエラ)2万5000人~5万人

海外の地震事例

海外の地震災害事例について、以下2つを紹介します。

  • 唐山地震(中国)
  • スマトラ島沖地震(インドネシア)

それぞれ分けて紹介しますので、ご参考ください。

地震や津波の事例については地震津波の仕組み|津波による災害事例を知るで詳しく解説しています。よろしければお役立てください。

唐山地震(中国)

唐山地震は、1976年7月28日に中国の河北省唐山市を震源に発生しました。マグニチュード7.8、震度11を規模とする直下型地震です。

唐山市は、北京市から200キロ程離れた地域。大きな炭鉱がある工業地帯でしたが、この大地震により壊滅しています。

唐山地震によって受けた被害は、次のとおりです。

発生日1976年7月28日
死者数24万2769人
重傷者数16万4851人

唐山地震では、住宅の96%、産業建築物の78%が崩壊しました。その結果、約100万人が瓦礫の下敷きになったと言われています。

倒壊に巻き込まれた人の救助活動に加え、ライフラインの獲得も深刻な問題でした。水が供給されるまで2日かかり、地震直後は食料と飲料水が不足したため、被災者がプールの水を飲み干したという話もあります。

スマトラ島沖地震(インドネシア)

スマトラ島沖地震は、2004年12月26日にインドネシア・スマトラ島沖を震源に発生しました。マグニチュード9.1にも及ぶ大型地震です。1960年のチリ地震と1964年のアラスカ地震に次ぐ規模となり、インド洋沿岸の広範囲を襲った津波はアフリカ大陸にも甚大な被害を及ぼしました。

スマトラ島沖地震によって受けた被害は、次のとおりです。

発生日2004年12月26日
死者数21万人以上
負傷者数10万人以上

スマトラ島沖地震ではプーケット島(タイ)などにも被害が及び、滞在中の観光者が巻き添えになっています。日本人も42人の犠牲者を出しました。

実は当時、インド洋沿岸を対象とした津波警戒システムはありませんでした。そのため、津波の予想も困難だったのです。スマトラ島沖地震をきっかけに、整備がすすめられたと言われています。

海外の台風(熱帯低気圧)事例

世界基準の熱帯低気圧をタイフーンと言い、地域によって呼び方が変化します。

ハリケーン:北大西洋、カリブ海、メキシコ湾および西経180度より東の北東太平洋に存在する熱帯低気圧

サイクロン:ベンガル湾やアラビア海などの北インド洋に存在する熱帯低気

台風:東東経180度より西の北西太平洋および南シナ海に存在する熱帯低気圧

(参考:国土交通省気象庁ホームページ

ここからは、海外の台風災害被害について以下2つを解説します。

  • サイクロン・シドル(バングラデシュ)
  • サイクロン・ボーラ(バングラデシュ)

それぞれ詳しく解説するので、ぜひご参考ください。

日本の台風被害については台風による災害事例|過去に起こった台風被害を振り返るの記事で詳しく解説しています。よろしければお役立てください。

サイクロン・シドル(バングラデシュ)

サイクロン・シドルは、ベンガル湾で発生した熱帯低気圧です。2007年11月15日に、バングラデシュ南部に上陸しました。最大風速は69m/sで、当時バングラデシュの観測史上最大級の規模だったそうです。

サイクロン・シドルによって受けた被害は、次のとおりです。

発生日2007年11月
死者数4,234人(行方不明者含む)
被災者900人以上

サイクロン・シドルは、上陸の翌日には消滅しました。しかしながら、ガンジスブラマプトラ川下流のデルタ地帯に位置するバングラデシュの被害はシドル以外にも及んだと言われています。高潮などで浸水被害が発生し、家屋の全半壊は150棟以上にものぼりました。

サイクロン・ボーラ(バングラデシュ)

サイクロン・ボーラは、1970年11月12日にバングラデシュとインドの西ベンガル州を襲いました。上陸したタイミングが満潮時刻と重なり、沿岸部が高潮の被害にあっています。

サイクロン・ボーラによって受けた被害は、次のとおりです。

発生日1970年11月
死者数30万人~50万人
被災者360万人以上

サイクロンとして史上最大級の犠牲者を出したサイクロン・ボーラの死者数は、推定人数でしかありません。全容は今も不明瞭ですが、沿岸部では家屋の85%が全半壊したと言われています。

もともとバングラデシュは東パキスタンでしたが、サイクロン・ボーラを要因のひとつとして独立しました。災害後の対応が内戦の要因にもなったのです。

海外の洪水事例

海外の洪水災害事例について、以下2つを紹介します。

  • ヨーロッパ中部洪水(ドイツ・ベルギー)
  • ベネズエラ洪水(ベネズエラ)

それぞれ分けて紹介しますので、ご参考ください。

日本における水害被害については日本の水害被害とは|水害が起きたらどうなるか過去事例から学ぶの記事で詳しく解説しています。よろしければお役立てください。

ヨーロッパ中部洪水(ドイツ・ベルギー)

ヨーロッパ中部洪水は、2021年7月12日~15日頃の大雨による災害です。ドイツやベルギーが甚大な被害を受けました。ドイツ西部などを中心とした地域では、例年のひと月分と同程度の雨が、たった3日間で降ったとされています。

ヨーロッパ中部洪水によって受けた被害は、次のとおりです。

発生日2021年7月
死者数200人以上

ドイツにおける2021年の6月降水量は平年より多く、大雨による洪水が複数発生しました。ライン川の推移が6月下旬以降高い状態で続いていたこともあり、ヨーロッパ中部洪水の被害は甚大になってしまったのです。

なお、ヨーロッパ中部洪水における経済的な被害は、417億米国ドルにのぼったとされています。

ベネズエラ洪水(ベネズエラ)

ベネズエラ洪水は、1999年12月14日~16日にベネズエラ北部のカリブ海に面した地域で発生した災害です。例年の2倍に及ぶ豪雨が発生し、20世紀におけるラテンアメリカ最悪の災害だと言われています。

ベネズエラ洪水によって受けた被害は、次のとおりです。

発生日1999年12月
死者数2万5000人~5万人

ベネズエラ洪水では、東部のアンソアテギ州からスリア州にかけて沿岸部で被害が甚大だったとされています。豪雨による地すべりや主要河川の氾濫などが起き、被災家屋は4万軒以上にものぼりました。

死体数をもとに発表された公式発表の死者数は、少ないとされています。メディアや地方局などの情報によると推定死者数は2万5,000~5万人で、国際赤十字でも死者数は3万人程度だとうけとめています。

日本と海外における災害

ここからは、日本と海外における災害について解説します。

よろしければお役立てください。

海外における災害

1967年~2016年の50年間で、世界では大規模な自然災害が約8,000件も発生しています。災害による被害額は約7,300億ドルにのぼり、死者数は約280万人を超えるのが現状です。

発生する災害と死者数は、地域や地形によって異なります。例えば、中央アジア・コーカサスでは洪水、中東や中米では地震津波の被害によって死に至ることが多いとされています。

死者数の1番多い地域である南アジアは暴風雨、次ぐアフリカは9割以上が干ばつ被害によって亡くなっているのです。

世界における日本の災害発生割合

私たちが住む日本は、世界から見ても災害が多い国だと言われています。

世界全体に占める日本の災害発生割合は、以下の通りです。

  • マグニチュード6以上の地震回数20.8%
  • 活火山数7.0%
  • 死者数0.4%
  • 災害被害額18.3%

(参考:内閣府防災情報のページ

日本の国土面積は、世界の0.25%しかありません。1%にも満たない国土面積の日本で、上記のような確率で災害発生の可能性があると考えると、それぞれが防災意識を高く持つ必要があるとわかります。

日本における災害被害については災害の被害に備える|実例・想定を知り対応できる体勢を整えるで詳しく解説していますので、よろしければお役立てください。

日本と海外における防災意識の違い

海外は、災害発生時の被害が大きくなる場合が多いと言われています。そのため、個人や組織の災害対策が発展しているのが特徴です。

例えばアメリカでは、自分たちの身を自分で守ることを重視しています。公的機関を頼り過ぎず、住民や組織が協力して災害対策をおこなうよう意識づけているのです。

実は日本は、世界から見ても防災意識が高いと言われています。

ただし、アメリカとは違い、公的機関による災害対策が前提として意識づいているのが現状です。しかしながら、災害時には被害が公的機関が機能するとは限らないため、日本も自分たちの身は自分で守ることを意識づけなくてはなりません。

普段から防災意識を高め、ひとりひとりが備えておく必要があるのです。

企業における災害対策については、企業の防災マニュアル|重要性を理解して活用するの記事が役立ちます。よろしければご参考ください。

海外の災害事例まとめ

今回は、海外の災害事例を紹介しました。世界に目を向けると、様々な災害が発生し、甚大な被害を受けていることがわかります。

災害大国と言われる日本に住んでいる以上、組織でも災害を意識し、備えておかなくてはなりません。

この機会に、企業の災害対策を今一度見直してみてはいかがでしょうか?

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