災害は予測できるのか?南海トラフ巨大地震・首都直下地震の被害を想定

「災害は予測できないのだろうか? 将来大きな地震が発生するとされているけど、どのような地震が、どのくらいの確率で発生するのだろう? 予測されている地震規模や被害について知りたい。」

このように不安を感じている方もいるでしょう。

台風や地震など、日本にはさまざまな災害が襲ってきます。

近い将来、大規模な被害をもたらす地震が発生するという予測もされています。

これから発生すると予測されている災害を知っておけば、対策や心構えができるでしょう。

この記事では、現在予測されている大規模災害について解説します。

災害には「予測できる災害」と「予測できない災害」が存在します。

これから起こる可能性の高い災害を知り、今後の対策にお役立てください。

目次

自然災害である地震は予測できない

自然災害には「予測できる災害」「予測できない災害」が存在します。

予測できる災害とは、次のような災害です。

  • 台風
  • 洪水
  • 大雪
  • 津波
  • 土砂崩れ
  • 火山噴火
  • 落雷
  • 竜巻

気象情報や雨量、火山の測定データなどから災害を予測しています。

一方で、地震は予測できない自然災害です。

地震は「プレート」と呼ばれる岩石がずれることで発生します。

プレートは「陸のプレート」と「海のプレート」の2種類あり、海のプレートは陸のプレートの下に沈み込む性質があります。

陸のプレートも海のプレートと一緒に引っ張られ、プレートにひずみが生まれます。

このひずみが限界に達したとき、陸のプレートがもとに戻ろうと持ち上がるように跳ね上がるため、地震が発生するのです。

そしてこのプレートがもとに戻るタイミングは、予測できないことがほとんどです。

台風の被害は予想できる

毎年発生する台風は、日本へ上陸する前に規模がわかります。

そのためどのような被害に遭うのか、ある程度予測できます。

台風がやってくるのも、毎年同じ時期であることがほとんど。

特定の時期に、規模が事前にわかっている台風は被害が予測できるので、予測に合わせた台風対策が可能です。

災害予測システムは一部存在している

すべての自然災害が予測できれば理想です。

しかしそれは難しく、現在は一部の災害を予測するシステムのみです。

例えば、次のような予測システムが存在します。

これらは日本気象協会が提供しているサービスで、気象情報などのデータを駆使して提供されています。

他にも、株式会社建設技術研究所が提供している水災害予測システム『RISK MAP』もあります。

一部ではありますが、特定の災害に特化した災害予測システムは存在しています。

今後予想される地震

自然災害のなかでも、地震は予測できない災害だと説明しました。

地震はいつ発生するか予測できないため、私たちにとっては突然発生したように感じられます。

しかし予測できない地震のなかで、今後起こることが予測されている地震があります。

これらの地震について、それぞれ見ていきましょう。

  • 南海トラフ巨大地震
  • 首都直下地震

南海トラフ巨大地震

南海トラフ巨大地震とは、西日本の太平洋沿岸を襲うとされている巨大地震です。

日本列島のある陸側のプレートの下に海側のプレートが沈み込んでいる溝のような地形になっているのが南海トラフです。

このプレートの境界には地震の原因であるひずみが生まれており、限界に達するとずれ動くことで巨大地震が発生します。

どれほど大規模かは、予測されている被害規模から想像できます。

死者・行方不明者数住宅全壊戸数
南海トラフ巨大地震約32.3万人約238.6万棟(東日本大震災の約20倍)
出典:地震災害 : 防災情報のページ – 内閣府

首都直下地震

首都直下地震とは、東京周辺の首都圏に甚大な被害をもたらす可能性のある巨大地震です。

マグニチュード7クラスの大地震と予測されています。

大きな被害が出ると予測されている地域は茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、長野、静岡です。

首都直下地震は、国の中枢機関が集中した地域であることから、その影響は国内だけではなく海外にまで及ぶと懸念されています。

どれほどの被害かは、予測されている被害規模から想像できます。

死者・行方不明者数住宅全壊戸数
首都直下地震約2.3万人約61万棟(東日本大震災の約5倍)
出典:地震災害 : 防災情報のページ – 内閣府

大地震は30年以内に70%の確率で発生予想

南海トラフ巨大地震と首都直下地震は、今後30年以内に70%の確率で発生すると予測されています。

南海トラフ沿いの地震は約100年の間隔で起きており、3回に1回には超弩級の巨大地震が発生している過去があります。

次に発生が予測されている南海トラフ巨大地震は、この3回の1回に当たるため、大規模な被害が出る予測です。

南海トラフ巨大地震は2030年代に発生するという予測が立っています。

予測できない自然災害である地震のなかで、発生時期が科学的に予測できる唯一の地震が南海トラフ巨大地震です。

リアルタイム被害予測ウェブサイト『c-map』

災害予測システムは一部存在していますが、災害が発生したあとの被害予測を表示するサイトも存在します。

それがリアルタイム被害予測ウェブサイト『c-map』です。

台風や豪雨、地震による被災建物棟数を予測し一般公開しているサイトです。

事前に災害を予測できることが理想ですが、災害が発生したあとの被害状況を知ることも重要です。

情報が得られることで、次に取るべき行動が決められます。

大規模な台風や地震が発生したあと、どのように行動するかで生存率や事業の継続率が変わります。

そのため被害状況を予測した情報も入手しましょう。

開発された背景

c-map』はエーオングループジャパン株式会社、横浜国立大学の産学共同の研究から誕生しました。

どのような状況においても、被害の受付や保険金の支払いを速やかに進めるのは損害保険会社の責務だからです。

被害の受付や保険金の支払いを進めるには、被害状況を速やかに把握することが必要です。

そのため建物の被害件数を被災前から予測する仕組みが作られました。

『c-map』の機能

c-map』の機能は、以下による被災建物数・被災件数率を予測します。

  • 台風
  • 豪雨
  • 地震

被災建物数・被災件数率は市町村別に地図で表示され、スマートフォン・パソコン・タブレットなど、あらゆるデバイスに対応しています。

予測表示に関する仕様は次のとおりです。

予測開始条件予測結果表示更新時期表示期間
台風気象予報データ、または気象観測データが瞬間風速30m/sを超えた場合被災前1時間ごと、毎時0分更新7日間
豪雨気象予報データ、または気象観測データが瞬間風速30m/sを超えた場合被災直後1時間ごと、毎時0分更新7日間
地震気象予報データ、または気象観測データが瞬間風速30m/sを超えた場合被災直後約10分後更新7日間
出典:リアルタイム被害予測ウェブサイト cmap|会社情報

被災建物数、被災件数率の判定基準は次のとおりです。

予測表示判定基準等
被災建物数(分子)過去データの分析で得られた罹災率係数、市区町村毎の総建物数、最新の気象観測データなどを用いて、保険金支払可否を基準に判定。
総建物数(分母)市区町村ごとの建物棟数。保険契約とは無関係。出典は、日本全国の航空写真解析で得られた建物データベース。
被災件数率台風、豪雨、地震のいずれも、被害の大きさに比例して被災率も上昇。
出典:リアルタイム被害予測ウェブサイト cmap|会社情報

大地震が日本を襲うと予測されている

今回は現在予測されている大規模災害について説明しました。

今後、30年以内に大地震が日本を襲うと予測されています。

自然災害である地震は予測できません。

しかし、早めの避難や防災対策によって、被害が軽減できる効果も示されています。

早めに避難できた場合は、津波による犠牲者は最大で80%少なくなります。

また建物の耐震化率を引き上げられれば、建物の倒壊は約40%減らせる推計です。

地震という自然災害は予測できません。

しかし南海トラフ巨大地震は、近い将来発生すると予測できています。

せっかく予測できていますので、自社のBCPにぜひお役立てください。

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