大規模災害が発生すると、企業は事業活動を制限されてしまいます。
企業のBCP対策において、地震や津波への対策は必須です。
災害に遭ってしまうと、企業存続が難しい事態になってしまうためです。
とはいえ地震や津波により、どのような被害に遭ってしまうのかがわからなければ、対策のしようがないでしょう。
この記事では、地震や津波が発生したときの行動について解説します。
地震や津波などの災害で、どのようなことが起きるかまで説明しますので、企業の地震・津波対策の参考になります。
企業に与えるであろう影響まで説明しますので、地震・津波も想定した対策を検討している方は、ぜひ最後までお読みください。
地震・津波の対策
地震や津波が発生したとき、どのような行動をとるべきなのでしょうか?
一般的には、地震が発生したあとに津波がやってきます。
そのため地震と津波、それぞれが発生したときの行動を決めておくことが重要です。
- 地震が発生したときの行動
- 津波が起きたらとるべき行動
地震が発生したときの行動
地震が発生したら、次のような行動を心がけましょう。
- 机の下に隠れる
- 背の高い棚から離れる
- 自動販売機には近づかない
- ビルには近づかない
- 海外にいる場合、高台に避難
会社などの屋内にいる場合、身の安全を確保するため、机の下に隠れます。
そのとき、背の高い棚などが倒れてくる可能性があるため、離れることをおすすめします。
揺れがおさまったらガス漏れの可能性もあるため、給湯室などのガス栓を閉めましょう。
外出している場合、自動販売機やビルなどには近づかないようにしてください。
身の安全が確保できたら、テレビやインターネットなどで地震情報・津波情報を入手するようにしましょう。
次の行動を決定するためにも、非常時の情報をいち早く手に入れることが重要です。
津波が起きたらとるべき行動
震度4以上の強い揺れが発生すると、津波が起きる可能性があります。
また揺れが小さくても、長時間ゆっくり揺れた場合は津波が発生するかもしれません。
津波が発生したら、次のような行動を心がけましょう。
- 海岸から離れる
- 高台に避難する
- 頑丈な建物の高い場所に避難する
地震により津波が発生すると、津波警報が発表されます。
津波警報が発表されたら、すぐに海岸から離れ、安全な場所に避難してください。
津波災害ではどのようなことが起きるか
地震が起きると、津波が発生する可能性があります。
津波による災害では、どのようなことが起きるのでしょうか?
津波災害では、次のような事態が起こります。
- 街全体が津波にのみこまれる
- 第二派の津波が発生する
- 建物が流されてしまう
街全体が津波にのみこまれる
地震が発生すると、規模の大きさや震源地によっては津波が発生します。
津波の大きさによっては、街全体がのみこまれるかもしれません。
東日本大震災では、街全体が津波にのみこまれ、多くの家屋が被害に遭いました。
家だけではなくバスや車、電車は流され、大型船が海から流されてきたケースもあったそうです。
街全体が津波にのみこまれると、企業が所有している事業所や設備、工場までも被害に遭ってしまいます。
第二派の津波が発生する
津波は一度で終わりではありません。
複数回にわたり襲ってくる可能性があります。
そして第一波の津波よりも、第二波や第三波のほうが規模の大きい津波になることもあります。
これは津波の性質によるもので、沖で発生した津波が岸に近づくにつれ、前方の津波を取り込んでしまうためです。
津波は水深が深いほど速く伝わり、陸地に近づくほど減速します。
沖で発生した津波が陸地に近い津波を取り込み、波の高い津波となって襲ってくるのです。
そのため第一波よりも第二波・第三波のほうが、規模の大きい津波になる傾向です。
第一波の津波が引いたあとで事務所や家に戻ると、津波に襲われる危険があります。
建物が流されてしまう
第二派以降の津波のほうが、規模の大きい津波になっている可能性があります。
そうすると、自社の建物や工場も流されてしまうかもしれません。
運よく自社の建物や工場が流されなくても、津波は火災を引き起こす危険があります。
可燃性ガスや自動車のオイルなどが原因で火災が発生し、漂流物が燃えながら流されてしまうためです。
東日本大震災でも同様のことが起きました。
宮城県気仙沼市では、海上に流出した大量の油から火災が発生し、流された家屋の残がいや船を巻き込んで燃えました。
それらは燃えたまま沿岸部までたどり着き、市街地にまで燃え広がったそうです。
このように建物が流されてしまうと、被害が大きくなります。
場合によっては、大規模な火災にまで発展する危険があります。
地震と津波が企業に与える影響
地震や津波が発生すると、私たちの生活に大きな被害を与えてしまうとわかりました。
では具体的に、企業にはどのような影響を与えるのでしょうか?
過去に起きた地震や津波で、企業が受けた被害を紹介します。
- 工場設備が浸水し生産設備が被害
- 物流が停止し資材調達に影響
- ライフライン停止による操業停止
工場設備が浸水し生産設備が被害
東日本大震災では、工場設備が津波による被害を受け、当面は商品製造を見合わせる事態に陥りました。
工場設備の1階部分が浸水し、生産設備の多くが被害を受けたためです。
当該企業は中型船を中心とした各種船舶を製造する事業を営んでおり、国際需要に対応するための設備投資もおこなっていました。
しかし東日本大震災により建造中の大型貨物船も流され、岸壁も地盤沈下している
可能性があるため、修復作業を余儀なくされたとのこと。
そのため当面は製造を見合わせなければいけない事態となってしまいました。
物流が停止し資材調達に影響
大規模災害が起こると、物流が停止してしまう恐れがあります。
地割れや土砂崩れ、がれきなどの影響で、道路網が寸断されてしまうためです。
特に津波が発生すると、大量の土砂やがれきを運んでくるため、物流が停止してしまう可能性が高まります。
物流が停止すると必要な資材が手に入らなくなり、企業活動に大きな影響を与えます。
企業活動に与える影響は資材だけではなく、企業活動自体にもおよびます。
交通網が機能しないため従業員が出社できなかったり、物流が止まったせいで避難生活で精一杯になり勤務できなかったり、人的リソースが確保できなくなるのです。
物流が停止することは、企業活動の停止にもつながってしまうほどの大きな影響を与えます。
ライフライン停止による操業停止
津波が起きるほどの大規模災害が発生すると、ライフラインが停止する恐れがあります。
発電所や電柱電線などが破損してしまうためです。
水道やガスなどの生活インフラにも影響が出てしまうでしょう。
ライフラインが停止してしまうと、企業活動を開始することすらできません。
電気が止まればパソコンは動かず、工場などの設備も動かないでしょう。
ガソリンやガスなどで稼働する設備だったとしても、津波被害で供給が止まってしまう可能性が高いのです。
地震と津波が企業に与える影響は大きく、企業活動自体が停止してしまう可能性があります。
地震・津波の備えで大切なこと
今回は、地震や津波が発生したときの行動について説明しました。
地震や津波が企業に与える影響は大きく、最悪の場合、企業存続が難しくなってしまいます。
こうした被害に備え、BCPを策定しておくことが重要です。
東日本大震災でもBCPを策定していたおかげで、1週間で活動再開した企業も存在します。
BCP策定していなければ、1週間での活動再開は厳しかったでしょう。
地震や津波は対策していても、防ぎきれない災害です。
被害に遭ってしまったとき、どのように被害を最小限に抑え、早期復旧させるかが企業存続の鍵です。
地震や津波が企業に与える影響を踏まえ、BCPを策定しましょう。
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