地震による津波発生のメカニズム|なぜ起こるのか発生原因を解説

「津波が恐ろしいものだとわかっているものの、どうやって津波が発生するのかメカニズムまでは知らない」という方は多いでしょう。

地震と津波の関係性は強く、地震が発生すると津波が発生します。

地震が発生することで海面が上昇し、大きな波となってしまうためです。

この記事では、地震が発生すると津波が起きるメカニズムについて解説しています。

地震以外で起こる津波や津波が起きやすい場所についても説明しますので、自社の防災・BCPに役立てば幸いです。

目次

津波とは?

津波とは、港に押し寄せる非常に大きな波を指します。

津波の「津」は、船着場や渡し場を示す港を意味しているのです。

そんな津波には、大きくわけて3つの種類があります。

地震津波地震によって発生する津波のこと。地震の規模に比例し、津波の規模が大きくなる。
津波地震地震の規模が小さくても、規模の大きな津波が発生する現象のこと。地震が発生する原因となる断層の変動が緩やかなため、地震の規模は小さくなる。しかし津波への影響は変わらないため、地震の規模に比例しない津波が発生する。
遠地津波遠地で発生した地震によって発生する津波のこと。日本の近くで発生した地震ではなく、海外近くで地震が発生したことで津波が発生し、日本には津波だけが襲来する。600km以上離れた海底で発生した地震が原因の津波と定義される。

このように一言で津波といっても、地震がどのように関係しているかで種類が変わります。

しかし共通しているのは、津波が発生するのは地震によるものという点です。

津波は地震の発生によって引き起こされる、非常に大きな波を津波と呼びます。

津波と波の違い

津波と波にはどのような違いがあるのでしょうか?

それぞれの違いは、次のように定義されています。

津波通常の波よりも規模と力が大きい。波の長さは数km~数百km。岸に到着しても、波の力は弱まりづらい。
風で水面だけが動いている状態。波の長さは数m~数百m。岸に到着すると、波の力はすぐに弱まる。

大きな違いは「波の長さ」

津波は数km~数百kmにもわたる長さで岸に届くため、陸地に到着しても力は弱まることなく進んでいきます。

このように津波と波には、明確な違いがあります。

津波の高さは海の深さに影響する

津波は、海の深さが波の高さに影響します。

その理由は、沖で発生した津波が陸地に近い波を取り込んでいくためです。

津波は水深が深いほど速く伝わる性質があり、沖ではジェット機に匹敵するほどの速さで伝わります。

反対に、津波は水深が浅いほど遅くなっていきます。

つまり、津波は陸地に近づくほど減速していくのです。

減速した津波が後方からくる津波に追いつかれることで取り込まれ、津波が高くなっていきます。

津波が発生するメカニズム

津波が発生する理由は、地震が大きく影響しています。

海底にあるプレートが動くことで海面が上昇し、その結果津波となります。

津波が発生する原因について説明するには、地震について理解する必要があります。

ここからは、次の2つについて解説していきます。

  1. 津波の発生原因
  2. 地震と津波の関係

津波の発生原因

津波が発生する原因は、海底地震によるものが一般的です。

地震は「プレート」と呼ばれる岩石がずれることが原因で発生します。

プレートは「陸のプレート」と「海のプレート」の2種類です。

海のプレートは、陸のプレートの下に沈み込む性質があります。

陸のプレートも海のプレートと一緒に引っ張られ、プレートにひずみが生まれます。

ひずみが限界に達したとき、陸のプレートがもとに戻ろうと持ち上がるように跳ね上がるため、地震が発生するのです。

陸のプレートが急激に持ち上がると海面が大きく上昇することで、津波が発生する原因となります。

海水の変化が波として、周囲に広がっていく現象が津波です。

地震と津波の関係

地震が発生することで、津波が引き起こされると説明しました。

では地震以外で津波は発生するのでしょうか?

地震なしで津波が発生する可能性は低いといえます。

風などで波が起きても水面だけが動くため、津波とは呼べないためです。

仮に大きな波が発生したとしても、波の長さが津波に比べて短いのです。

そのため岸に到着しても、すぐに力が弱まります。

津波は地震によって引き起こされるものだと考えておきましょう。

地震によって起こる津波

地震にともなって津波が発生するとわかりました。

しかしなかには、津波の発生しない地震や津波だけが襲来する場合もあります。

それぞれどのような津波なのか、次のような津波について解説します。

  • 津波が起こる地震と起こらない地震
  • 地震以外が原因で起こる津波
  • 遠くで起きた地震でも津波が発生する場合がある

津波が起こる地震と起こらない地震

地震が起こっても、津波が発生しない地震があります。

それは震源地が陸上だった場合です。

津波は、海底を震源とする地震が発生したときに起こります。

前述した津波が発生するメカニズムのとおり、プレートが動くことで海面が上昇し、海水の変化が波として広がっていくためです。

そのため震源地が陸上だと、津波は発生しません。

津波は震源地によって、起こる場合と起こらない場合があります。

地震以外が原因で起こる津波

地震が発生した場合に、津波が発生すると説明しました。

しかしなかには、地震以外が原因で起こる津波も存在します。

  • 火山噴火
  • 沿岸の山崩れ
  • 海底地すべり

これらが原因となり、津波が発生する可能性もあります。

こうした理由から、地震による津波は「地震津波」と呼ばれています。

必ずしも津波が発生するわけではありませんが、地震以外にも津波が発生する原因があるということは知っておきましょう。

遠くで起きた地震でも津波が発生する場合がある

日本の近くで地震が発生したとき、同時に津波の心配もするでしょう。

しかし、場合によっては津波だけが日本を襲う可能性もあります。

なぜなら、世界中が海でつながっているためです。

1960年5月に、南米チリでマグニチュード9.5の巨大地震が発生しました。

地震の揺れは日本に影響しませんでしたが、そのときに発生した津波が、地震発生1日後に日本に到着しました。

これを「遠地津波」と呼びます。

当時、遠地津波への認識不足もあり、死者・行方不明者142名と大きな被害を受けました。

世界中が海でつながっています。

そのため地震が遠くで起きたとしても、津波が発生する可能性があると認識しておきましょう。

津波が起きやすい場所

日本は世界有数の災害大国です。

地震の発生頻度は、世界的に見ても多い。

そんな日本で、津波が起きやすい場所はどこなのでしょうか?

過去の津波記録や津波予測によると、日本における危険な地域としては次のような場所が挙げられます。

  • 三陸海岸
  • 東海・東南海・南海沿岸
  • 日本海東部沿岸

また気象庁の震度データベース検索で算出すると、東日本大震災の起こった東北エリアが全国のなかでも地震発生が多いようです。

次に多いのが、東京を含む関東甲信越エリアです。

津波が発生するメカニズムには地震が関わっている

今回は地震が発生すると津波が起きるメカニズムについて説明しました。

津波は、地震によって引き起こされます。

陸のプレートが海のプレートに引っ張られ、ひずみが生まれます。

ひずみが限界に達したとき、元に戻ろうと跳ね上がるように動くため、海面が上昇。

上昇した海面が周囲に広がっていき、津波となって広がっていきます。

津波が発生するメカニズムを知っておくと、地震が発生したとき、とるべき行動が予想できます。

陸上で発生した地震では、津波が発生しません。

海底で地震が起きた場合、津波が発生する可能性を考慮し、次の行動に移りましょう。

→「地震津波」へ内部リンク

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