外からできる耐震補強工事|企業への影響を最小限に

「耐震補強工事を建物の外からおこないたい」

「工事中は工場の什器を移動しなければならないのだろうか」

「仕事に影響を及ぼさずにできる耐震補強工事の方法が知りたい」

耐震補強工事の必要性は理解していても、このように仕事への影響を心配されている企業は多いのではないでしょうか。

この記事では、耐震補強工事を建物の外からおこなう方法について解説します。この記事を読んだあとは、建物内にいたままおこなえる耐震補強工事について理解し、企業に応じた耐震補強の方法を検討できるようになります。

記事後半では仕事への影響をおさえるためのポイントも紹介するので、ぜひ最後までごらんください。

他の耐震補強の方法について知りたい方は、耐震補強工事の方法には何がある?自分でできる耐震補強についても紹介の記事をご参考ください。

目次

耐震補強工事は建物の外から可能

耐震補強工事は、建物の倒壊を防いで企業の財産や従業員の命を守るためにおこないます。建物の倒壊を防ぐと聞くと、壁や天井をはずしておこなう大規模なものをイメージする人も多いのではないでしょうか。

実は、耐震補強工事は建物の状態に応じて外から実施できます。必ずしも壁や天井をすべてはずして実施する必要はないのです。

壁や天井をはずさずに外からおこなう耐震補強工事

壁や天井をはずさずに外からおこなう耐震補強工事には、以下のメリットがあります。

  • 什器の移動をしなくて良い
  • 仮テナントや事務所の用意が必要ない
  • 機密書類の管理がしやすい
  • 工期が短く済む工法もある
  • 大がかりな耐震補強工事と比べると費用が安い

外からおこなう耐震補強工事は、建物内にいたままで工事可能な場合が多くあります。什器の移動や仮テナントなどの用意を必要としないため、煩わしい作業が発生しません。また、工期が短く費用も抑えられる場合もあります。

メリットの多い外からの耐震補強工事ですが、もちろんデメリットもあります。例えば外から壁を補強する場合は、柱や土台など軸組に力が伝わるように配慮しなくてはなりません。正しく工事しないと、耐震補強の効果が発揮されないのです。

壁や天井を取りはずしておこなう耐震補強工事

壁や天井を取りはずしておこなう耐震補強工事には、以下のメリットがあります。

  • 柱などの劣化状況や断熱材の確認ができる
  • より確実な耐震補強工事が可能

壁や天井を取りはずしておこなう耐震補強工事では、柱だけでなく基礎や土台の確認できるので、劣化状況を確認してより確実な耐震補強工事が可能です。

しかしながら、外壁の撤去費用や廃材費用が発生してしまうため、耐震補強工事にかかる費用が高額な傾向があります。また、状況に応じて什器の移動や仮店舗の用意なども必要です。

耐震補強工事の方法については、耐震補強工事の方法には何がある?自分でできる耐震補強についても紹介の記事でも詳しく解説しています。よろしければお役立てください。

外からおこなう耐震補強工事

外からおこなう耐震補強工事には、例えば建物の外から壁を補強する方法があります。

開口部(建物の窓やドアがある部分)に、耐震補強を目的とした筋交い金物『GDブレース』や『ウッドピタブレース』などを取り付けて補強する方法です。筋交いとは、柱の間などに斜め方向に取り付ける補強部材。外から筋交い金物を取り付けることで、建物の耐震性を高められます。

建物の外から壁に直接取り付ける筋交いの方法以外にも、外壁の一部に穴をあけて補強する方法も。穴から壁の内部に耐震補強金属筋交いなどを設置して、耐震補強をする方法です。

筋交いの他、窓の部分に耐震補強フレームを取り付けたり、壁にパネルを貼り付けたりして外壁の上から壁の補強をする方法もあります。

耐震補強工事の影響を抑えるポイント

耐震補強工事を建物の外からできれば、工期を短くして費用を抑えられることが多い傾向にあります。

しかしながら、耐震補強診断の結果、室内の立ち入りや大がかりな工事を必要とする場合もあるでしょう。

そのような場合には、仕事への影響が少ない休みの日に実施できるスケジュールをたてるのが大切です。専門家と相談する際に、工期が短くできる方法がないか相談をしてみましょう。

耐震補強工事を活かす方法

耐震補強工事には、外からの工法ではなくとも『営業に及ぼす影響が少ない方法』や『耐震補強工事をあえて活かす方法』も存在します。

それぞれ解説するので、よろしければお役立てください。

営業に及ぼす影響が少ない方法

外からおこなう耐震補強工事の他、仕事に影響しづらい耐震補強工事もあります。建物の内側にある空間を活かして、中からできる耐震補強工事の方法です。

例えば、コボットと呼ばれる耐震補強をする筋交い金物を、内側に取り付けます。コボットは鉄の棒を交差する形で取り付けられるため、店舗や事務所などの空間をそのままにして強度をあげられます。

建物が木造建築物の場合は、特に耐震補強に不安を抱える企業も多いでしょう。木造建築物は柱や梁の結合部分が抜けやすいため、2階建ての場合は1階部分がつぶれることもあります。

「木造の一部を店舗にしているから、内側からしっかり補強したい」という場合には、営業への影響を少なく空間を活かしたこのような工法もとれるのです。

木造建築物の耐震補強について知りたい方は、木造の耐震補強|工事内容や費用も解説の記事をご参考ください。

耐震補強をあえて活かす方法

耐震補強工事は費用を抑えて短い工期で実施したいと考える企業が多い傾向にあります。しかしながら、耐震補強以外の価値を与える方法も存在します。

例えば、耐震補強工事の実施によって優れた外観へと変貌させる方法です。外壁に鉄骨フレームを取り付ける際にライトアップできるようにするなど、耐震補強を活かした工事をおこないます。耐震補強に力を入れていることをアピールできるだけでなく、外観を際立たせてブランディングにも役立つのです。

耐震補強工事の流れ

耐震補強工事のおこなう場合は、専門家による耐震診断が必要です。診断後は、結果に基づいた耐震補強工事の設計をおこないます。そして、必要な工事や日程を相談して、耐震補強工事を実施できます。

耐震補強工事の費用は工法などで異なりますが、国や地方公共団体の助成金制度や融資制度を活用すれば、出費をおさえて実施可能です。工事前には、ぜひ補助金制度を検討しましょう。

耐震補強工事の流れや費用、補助金制度についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、よろしければお役立てください。

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外からできる耐震補強

今回は外からできる耐震補強工事について解説しました。

耐震補強工事は、建物の倒壊を防いで企業の財産や従業員の命を守るためにおこないます。耐震補強工事のなかには、建物内にいたまま外からできる方法もあります。

壁や天井を取りはずさずに外からおこなう耐震補強工事は、費用をおさえて短い工期でおこなえます。建物内にいながら工事が可能なため、什器の移動や仮テナントの用意といった煩わしい作業も発生しません。

ただし、正しく工事しないと耐震補強の効果が発揮されないため、専門家の診断や耐震設計が必須です。

仕事への影響をおさえたい場合には、事業形態によって室内を活かした方法で耐震補強工事をすることも可能です。その他、耐震補強をしていることをアピールできるようなおしゃれな外観にして耐震補強する方法もあります。

耐震補強工事には事前の耐震診断や補強設計が必要です。企業の希望や耐震補強の必要な箇所などを相談して、納得のいく耐震補強工事を実施しましょう。

その他、耐震補強工事については耐震補強は企業を守る|耐震補強の必要性から補助金までまとめて解説で詳しく解説していますので、よろしければお役立てください。

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